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ケイちゃんインタビューVol.2 [ケイちゃんインタビュー]


''---ペッパー警部を最初に渡された時のことは憶えていますか?''
''増田'' 最初に「ペッパー警部」と「乾杯お嬢さん」のカラオケを聞いて、どちらの曲もイントロを聞いただけで、本当に鳥肌が立ちました。レコーディングする時に、ひとしきり泣いた覚えがあります。ヤマハでも人の曲ばかり歌っていて、それが誰にもあげなくていい、返さなくていい自分達だけの曲を頂けたことが本当に嬉しくて、それもあんなにいい曲でしたから。「乾杯お嬢さん」もイントロからゾクゾクしますよね?「ビートの効いた曲を歌いたい」って言っていた私の言葉以上にすごいビートで、もうこれは自分達の力に懸かっていると思いました。絶対に売れる!と思ったのですが、最初は「乾杯お嬢さん」の方がA面になるという気配があって、自分達としてもすごく迷いました。どちらの曲もすばらしかったですから。

''---「ペッパー警部」はどんな形でレコーディングされたのですか。''
''増田'' レコーディングの日は都倉先生がいて下さり、まずピアノの椅子に座られて「こんな風に歌って」と自ら歌って下さいました。全部がスタッカートというか、言葉と言葉の間に小さな「っ」が入るんです。「あ~な~た~の~こ~と~ば~」ではなく「あっなったっのっこっとっばっ」という形で歌って欲しいと言われました。それに、ミーの声と私の声が三度でハモった時に一番気持ちの良い部分が、最初から「ペッパ~」って登場するので、すごい快感だったのと、自分達の望んでいた通りになっていくんだ!という喜びに満ちていました。

''---ヴォーカルのレコーディングはブースに二人で入るのですか。''
''増田'' そうです。別々に入ったことはありません。私達はお互いの唇を見ながら歌いたいし、アイコンタクトも欲しいですから。それで少し向き合う感じでセッティングしてもらいました。この形は最初から最後までずっと変わりません。

''---現場でのヴォーカルのディレクションは誰がされるのでしょう。''
''増田''  都倉先生です。飯田さんは見守っているというか、割とすぐにOKを出されます。都倉先生もOKは早かったです。レコーディングはいつも夜遅くから始まっていたし、時間がなかったのかも知れませんが、私達が一番好きなのがレコーディングの仕事なので、かなり粘りました。今のように機械で合わせることはしないですから「ごめなさい、もう一回お願いします」と、しぶとかったですね、納得できないのは嫌でしたから。

''---都倉先生のディレクションについては。''
''増田'' 都倉先生の曲は歌い方があって難しいです。先ほどもお話ししましたが、強いスタッカートでないと、歌えない部分もあります。何しろ♪私の名前はカルメン「でっすっ」ですから(笑)。

''---ピンク・レディーのハーモニーは掟破りなところがありますね。''
''増田'' そう思います。

''---ハーモニーは自分達で作られるんですか。''
''増田'' デビューしてからは、もちろん都倉先生が全部ハーモニーを付けられます。一応譜面に書いてありますが、歌ってみて良さが出ないと書き換えられて、すごく難しいハモをつけられたりします。「S・О・S」などは、最初は私がハモる側で、次はミーの方がハモって私がメロディーを歌ったり、うねうねと交差していく感じですね。どちらがハモなのか分からないままレコーディングが終わったこともあります。お互いがお互いに沿うというか、お互いが弁えるというか、2人でピンク・レディーのサウンドを作ろうとするんです。

''---「カルメン'77」の出だしは、上の倍音と下の倍音が響きながら、二人でハモりながら歌っていく、あれは画期的で、日本では後にも先にもピンク・レディーしかないですね。''
''増田'' 私達の声はユニゾンでも、すごく幅があるんです。当時、スペクトラムさん達が私達のことを「驚異のユニゾン軍団」と呼んで下さったのですが、ミーの声でもない私の声でもない、ピンク・レディーのサウンドになる、その部分を歌った時に、本当に鳥肌が立ちます。その快感がやめられないというのは、ありますね。

''---土居先生の指導はいかがでしたか?''
''増田'' 恐かったです(笑)。先生はあまりしゃべらなくて、じーっと睨むように相手の目を見ています。それは後で分かったことですが、そうしないと振りのアイデアが浮かんでこないそうです。私は心の中を見破られているみたいで恐かったですね。

''---最初に「ペッパー警部」の先生の振りを見た時はどう思いましたか。''
''増田'' 手品を見ているようでした(笑)。本当に難しかったです。最初はもちろん音無しで、いろんなステップを試してみますが、すぐにできてしまうものは駄目なんですよ。誰でもできるからって。

''---しかも、生で歌いながら踊る形は、どうやって修得されたのでしょう。''
''増田'' それは場数ですね。先生に何度か「こんなに踊っていたら歌えません」って言ったのですが、先生は「俺は聞こえないよ」って(笑)。腹式で歌わなければいけないのに、どうしても胸で呼吸したくなっちゃいますもの。だから「スター誕生!」のデビューコーナーは、やはり歌えていなかった様に思います。

''---ケイさんはもともと左利きですが、振り付けで苦労することはあるんでしょうか。''
''増田'' マイクを左手で持つと、体が動かなくなるので、私はよく持ち替えていますね。当時はワイヤレスではなかったので、コードさばきもありますから、それも振りの一部になってしまったみたいです。

''---ピンク・レディーのダンスはかなり激しいですが、バスケットの時のケガのリハビリは成功したということになるのでしょうか。''
''増田'' 多分そうですね。ただケガをした直後みたいな痛みはないですが、疲れがたまったり、又長い間同じ姿勢をしていると、背中がパーンと張ってくることがあります。それが5年間やっていた中で、一番つらかったことですね。


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